キャンプでの楽しみのひとつに食事がありますよね。
僕はキャンプでお肉を食べることが大好きです。
焚き火で焼いたり
鉄板で焼いたり
炭火で焼いたり
ガスコンロを持ってきてフライパンで焼いたり
色々な調理方法があるかと思いますが、さらにおいしく食べるにはちょっとしたコツがあります。
今回はお肉検定1級の私がお肉をおいしく食べるコツを伝授いたしましょう!
食肉の繊維を断ち切る
生のお肉をよく観察すると細い繊維がるのがわかりませんか??
これはたんぱく質が主成分の繊維でできています。
この繊維が長いまま残っていると噛み応えがありかたく感じてしまいます。
このかたさを感じないようにするには繊維の方向に対し垂直に断ち切ることが重要です。
繊維が短くなれば嚙み切りやすくなり、やわらかさを感じることができるでしょう。
牛肉や豚肉は繊維の方向がわかりやすいですが、鶏むね肉などは繊維の方向が一定でないものがあるためしっかりと観察してから切るようにしましょう。
火を入れてから切るということも効果的です。
塊肉などでは一度火を入れてから繊維を断つように切って盛り付けましょう。
肉叩きはめちゃくちゃ万能のなで一家に一台ぜひ常備するといいかもです。
たんぱく質の変性温度を利用する
肉を加熱調理する際は肉の中心温度を60℃~65℃に保つのがおすすめです。
実はたんぱく質は50℃~60℃で凝固し始めますが、これ以に温度が高くならないように注意していけばそのお肉のやわらかさをキープすることができます。
それだけではなく肉汁が流れ出てくることを防ぐため、ジューシーさも味わうことができます。
この特徴を利用したのが『低温調理』です。
中心温度を60℃~65℃に保ちつつ長時間調理することでやわらかさとジューシーさを残して仕上げることができます。
最近ラーメン屋さんでみかけるピンク色のチャーシューなんかもこの手法が使われていますね。
肉の中に水分(肉汁)をとどめる
肉のジューシーさを決める要素で大事なのは『肉の水分量』です。
肉を加熱調理するとたんぱく質が凝固して保水ができなくなってしまいます。
そうなると肉の水分が外に抜けていき、同時に旨みも抜けていくためいいところなしです。
パサパサしたかたい肉はこのように水分が抜けてしまっているというわけです。
このようにおいしく食べるためにはお肉の水分量(焼きすぎ、煮込みすぎ)に注意が必要です。
調味料、酵素を活用して肉をやわらかく
肉をやわらかく調理するには、加熱温度や時間、調理器具や手法だけではありません。
お肉を彩る調味料にもその役割を担ってくれています。
なんでもかんでも調味料を活用すればいいというわけではなく、同じ肉を調理する場合でも
「この肉は塩がいい」
「この肉は砂糖がいい」
など種類によって相性の良い調味料は異なります。
なぜ調味料によって肉がやわらかくなるかというと、調味料の成分が肉のたんぱく質に働きかけ、化学反応が起こるからなのです。
ただ、分厚い肉などはなかなか内側まで効果を発揮しないこともあるため、その場合はフォークで穴をあけるなどの工夫も必要となってきます。
熟成肉を調理する
家畜はと畜(食肉にするために殺すこと)されたあと、筋肉は収縮してかたくなってしまうため、牛であれば約10日間、豚であれば3~5日程度熟成されます。
普段スーパーを購入している肉は、ある程度熟成された状態で店頭に並んでいるというわけです。
最近流行りの『熟成肉』は通常よりも熟成期間が長い肉のことを指しています。
その熟成肉には『ドライエイジング』と『ウェットエイジング』の2種類があり、前者はアメリカの高級店で行われた方法で、後者は流通のために考案された保存方法となっています。
肉は熟成することによってたんぱく質が酵素の力で分解されてやわらかくなるだけではなく、アミノ酸が生成されてさらに旨みが増していくのです。
まとめ
キャンプではローストビーフやステーキ、ビア缶チキンやシュラスコなどといった肉料理を調理することも多くあるかと思います。
ただ何も考えずに焼くだけでは本来の肉の旨みを味わうことができない可能性もあります。
ちょっとした工夫、ひと手間で高いお肉も、安いお肉も、もうひと段階おいしくすることができます。
「このお肉はこっちに繊維が伸びているからここから切ってみよう!」
「今回は低温調理で一品作ってみるか!」
「このお肉にはこの調味料が良さそうだぞ…」
などなど
1度立ち止まって目の前のお肉と向き合ってみてはいかがでしょうか。
キャンプで作る肉料理がワンランクアップしてもっともっとキャンプが楽しくなりますよ!